民泊はマンションやアパートの一室、一軒家といった民家に宿泊します。こちらの記事では「民泊はホテルと何が違うの?」とお考えの方へ、ホテル・旅館との違いを紹介します。また、一軒家貸切の民泊を選ぶポイントも紹介するので、東京で民泊の利用をお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。

民泊はホテルや旅館と何が違う?


民泊はホテルや旅館とは異なるものだと理解していても、具体的に何が違うのかわからない方も多いのではないでしょうか。ホテルや旅館と民泊を比べると、以下のような違いがあります。


宿泊施設ではない


宿泊するための設備は揃っていますが、民泊はあくまでも民家です。ホテルや旅館で宿泊している方は全員旅行客ですが、民泊の場合は隣の家・部屋にはそこに住んでいる方がいます。その点をまず理解しておきましょう。

独自の料金体系


民泊の料金は宿泊料金だけではなく、清掃料金や手数料・サービス料などもプラスされます。宿泊料金は一般的なホテルと同じように、エリア・広さ・時期などによって値段が変わります。民泊では連泊しても毎日清掃するわけではないため、1回の利用ごとに清掃料金が加算される点が特徴です。民泊サイトなどを経由して予約する場合、手数料・サービス料がかかることもあります。

一軒家貸切の民泊を選ぶポイント


民泊はマンションやアパートの一室だけでなく、一軒家を丸ごと貸切できることもあります。一軒家貸切の民泊を利用する際は、料金や設備の他にも以下のポイントを意識して選んでみてください。

定員数・間取り


民泊サイトなどを見てもわかるように、一軒家でも必ず定員数が記載されています。定員を超えると宿泊できないため、大人数の場合は必ずチェックするようにしましょう。また、複数家族で旅行する際など、それぞれのプライベートを確保できる間取りかどうかも確認してください。

ハウスルール


民泊とは一般の民家に宿泊することです。住宅街に部屋があることも多いため、近隣住民に迷惑をかけないためにもハウスルールが設定されています。チェックイン・アウト方法はもちろん、禁止事項やゴミ出しなどのルールが細かく決まっているため、事前に確認しましょう。

駐車場や周辺環境


車で行く場合は、駐車場やコインパーキングが近くにあるかチェックしましょう。スーパーや飲食店なども近くにあると便利です。

民泊のメリット


民泊は費用がリーズナブルだったり、宿泊先の選択肢が多かったりと、様々なメリットが知られています。そのほか、以下のような点もメリットです。

大人数で利用しやすい


友人同士や家族など、人数が多いと宿を探すのも大変です。民泊であれば一軒家やヴィラを丸ごと貸切できるため、女子会・パーティーなどで大人数になっても気兼ねなく宿泊できます。記載された人数までは同じ料金で宿泊できることも多いため、一人分の宿泊費がリーズナブルになる点もメリットです。

長期滞在に便利


民泊の場合、キッチンや洗濯機といった設備が一通り揃っています。長期滞在をする場合、キッチンがあれば自炊できるため食費を抑えることができます。また、洗濯も自分でできるため、コインランドリーに行く手間や費用を減らすことが可能です。連泊でも清掃料金は1回しかかからないため、連泊のほうが1泊の料金が安くなります。

個性的な場所も選べる


民泊は一般的な住宅も多いですが、リノベーションされたキレイな物件や、プール・サウナつきの別荘など、個性的な施設も多いです。

民泊の安全性は?安心して利用するためのポイント


女子会や旅行など、安心して民泊を利用するためのポイントをご紹介します。

住宅宿泊事業法(民泊新法)の遵守


住宅宿泊事業法を遵守したホストを選ぶようにしましょう。住宅宿泊事業法は民泊新法とも呼ばれ、2017年(平成29年)6月に成立した民泊に関する法律です。住宅などの宿泊施設を運営するホスト(家主)に対してその住宅やホストの名称、住所などの申請を義務化する、施設の安全性や衛生面に関するルールを設ける、またルールを違反した場合の罰則を設けるなど、安心して過ごせるためのルールが定められています。

プライバシーの保護


民泊施設には、マンションの一室の貸切型や一軒家丸ごとの貸切型、ホストとの同居型など様々なタイプがあります。貸切型か、またホストとの同居型であっても個室かどうかなど、プライバシーが保護されているかよく確認して予約を入れるようにしましょう。

セキュリティの確保


一軒家の場合は鍵がついていて問題ないと思いますが、各部屋のドアに鍵がついていないことも少なくありません。また、盗難防止のために貴重品の保管庫も確認しておくと安心です。鍵や貴重品の保管庫などセキュリティがきちんと確保されているか、予約前に確認することをおすすめします。


民泊の開業許可が取得できたら、いよいよ宿泊予約を受け付けることが可能になります。許可等の取得と並行して、宿泊予約を受け付けるためのOTA(オンライン旅行会社)への物件掲載も進めていきましょう。

OTAは多数存在し、どれを選べば良いかと悩むこともあるでしょう。ここではAirbnbなど主要OTA5社の特徴や概要、手数料などをまとめ、その他の主要OTAについても簡単に紹介します。また各OTA上の物件情報を効率的に管理する方法やOTA経由以外の集客方法などにも触れていきます。

 

 

OTAの選び方と管理方法

掲載するOTAの選び方は、 集客力、ターゲット、そして手数料の3点から決めると良いでしょう。 それぞれについて、次の項で民泊における主要なOTA5社の情報をまとめています。

利用するOTAの数は、できるだけ多くして集客チャネルを増やすか、あるいは2,3個に絞ってレビュー件数を重視するか、どちらかの戦略とするのが一般的です。一組限定の宿泊をベースとする民泊はホテルなどと違ってレビュー件数が貯まりにくいため、後者の形を採用した方が望ましいと言えます。

なお掲載するOTAや物件数が多くなればなるほど、情報や価格の更新が手間になります。ふたつ以上の物件を運営、あるいはふたつ以上のOTAを利用する場合に検討したいのが、サイトコントローラー・PMSいうツールです。代表的なものに「ねっぱん!」や「Beds24」「TEMAIRAZU」などがありますが、これらのツールを用いることで、ツール上で複数の ODA のリスティング情報や価格設定を書き換えることができるため、おすすめです。弊社はBeds24を利用していますが、民泊では「AirHost」もBeds24と並んで人気があります。

主要OTAの特徴

以下では民泊においてよく利用される主要5社について、特徴や概要を説明していきます。

Airbnb

  • 基本手数料:15%
  • 集客力:◎
  • ターゲット:全世界
民泊といえばAirbnbです。一組限定の宿泊施設や、現地の暮らしを体験するスタイルの宿、家主同居型の宿など、一般的に「民泊」という定義で用いられる営業スタイルの宿泊施設に対しては圧倒的な集客力を誇ります。日本人も外国人もバランス良く集客できる点は、他のOTAに対して大きなアドバンテージを持つ部分だと言えます。

手数料は15%(ホストが全て負担するか、ゲストと双方負担するかの2パターンに分かれる) と国内OTAなどに比べて高い水準ですが、チャットでゲストとやり取りできたり、トラブルを仲裁してくれたり、独自の保険サービスが適用されたりするなど使い勝手は非常に良く、相応の利用メリットがあります。

Airbnbは民泊の生みの親とも言えるOTAであり、ホテルなどの従来型の宿泊施設をメインとした他のOTAとはユーザーの嗜好もプラットフォームのインターフェイスも大きく異なります。画一化されたビジネスホテルのような空間よりも、際立った個性のある一棟貸しや一組限定の宿泊施設が好まれる傾向にあります。

民泊をやるならAirbnbに掲載しないという手はないでしょう。レビューも比較的貯まりやすいため、 最初はAirbnbにのみ掲載してレビュー件数を貯め、リスティングの上位表示を狙うのも一つの手段です。ホストアカウントの登録はこちらから可能です

Booking.com

  • 基本手数料:12%
  • 集客力:◎
  • ターゲット:全世界(欧米中心)
Booking.comは世界最大級のOTAで、高い集客力を誇ります。民泊物件(旅館業法・住宅宿泊事業法)も掲載することができ、欧米豪などを中心とした世界中のユーザーにアプローチできます。

多機能なぶん、慣れないうちは設定ミス等によるトラブルも起こりがちなのがネックですが、外国人集客が要となる民泊事業ではAirbnbと併せて掲載しておくのが望ましく、実際に多数の民泊物件が掲載されています。

マーケティングツールやプロモーションツールも充実しており、扱い慣れると便利なOTAだと言えます。

じゃらん

  • 基本手数料:8~12%
  • 集客力:〇
  • ターゲット:日本中心
国内OTAの中でも高い集客力を期待できるのが、老舗のじゃらんです。じゃらんは旅行雑誌も有名ですが、ホテル予約サイトとしても日本を代表する媒体の一つであり、Web・紙面双方でプロモーションを行うことも可能なのが強みです。掲載は旅館業物件のみ可能となり、さらにFAX番号も必須となるため、民泊物件を登録するには少々ハードルが高いと言えます。

システムは昔ながらのものが使われており、管理画面はお世辞にも使い勝手が良いとは言えません。しかし、紙面への露出を含めた多彩なプロモーション機能に加え、高い日本人集客力があることから、ホテルや旅館、民宿には高い人気を誇っています。

ただし、旅館業物件のみ掲載可能なことからも分かるように、じゃらんでは民泊物件の掲載を想定していません。そのためユーザーも民泊型の施設にはあまり反応しない傾向があり、無人施設では集客力はさほど期待できないとも言えます。

楽天トラベル

  • 基本手数料:8~12%
  • 集客力:〇
  • ターゲット:日本中心
楽天トラベルもじゃらんと並ぶ国内大手OTAで、ゲストにとっては使い勝手の良い楽天ポイントを利用できる点やSPU(楽天ポイント付与率アップ)対象になる点が強みです。

集客力や物件掲載数はじゃらんと並びますが、2021年4月現在、新規物件の掲載は休止中です(再開未定)。掲載したい場合は後述の楽天Vacation Stayを利用しましょう。

楽天Vacation Stay

  • 基本手数料:15%
  • 集客力:△
  • ターゲット:全世界
楽天が提供する民泊用のOTAが楽天Vacation Stayです。あまり知名度はないのですが、このOTAの強みは、楽天トラベルやBooking.com、Expediaなど、 国内外の主要OTA複数に対して物件情報が転載されることです。つまり、楽天Vacation Stayに物件を掲載するだけで、主要なOTAに一括出稿できるというわけです。また新規受付停止中の楽天トラベルにも情報が転載されるため、日本人集客にも強みを持ちます。

手数料はどのOTAから予約が入っても15%が適用されるため、場合によっては少々割高だと見ることもできます。しかし、複数のOTAをそれぞれ管理する手間なく、楽天Vacation Stay上でゲストとのやり取りをまとめることができるのは便利だと言えます。

その他のOTA

上記の他にも様々な有力媒体が存在します。一組限定が主となる民泊では、私的にはあまり多数のOTAに広げすぎない方が望ましいと考えていますが、下記のようなOTAに掲載を検討してみるのも手段としてはアリかと思います。
  • Yahoo!トラベル:じゃらん、楽天トラベルに集客力は劣る。今後の成長に期待
  • 一休.com:高級路線の一棟貸しが対象。Yahoo!トラベルと掲載窓口は同一
  • Expedia:海外大手OTA。Booking.comとUI等が似ており、本拠の米国に強み
  • Agoda:海外大手OTA。アジアに強み。運用面にクセがあり注意が必要
  • Trip.com(旧Ctrip):中国最大手OTA。中国人集客と洗練されたUIが強み

OTAに掲載する以外の民泊販売方法

民泊では基本的にOTAからの集客に頼ることになりますが、自社サイト+自社販促にて予約を取ることも可能です。予約機能付きのサイトを用意する費用や広告費などはかかりますが、うまくリピーターを複数獲得できれば、長期的にはOTA集客よりも高い利益率を確保できる可能性もあります。

集客には国内外の旅行雑誌やWebメディアへの広告出稿やSNS広告、Googleホテル広告の出稿、SNSでのプロモーション投稿などの手段が考えられます。この際、どの言語でどの国に対して重点的にプロモーションを行うかを考える必要があり、相応の語学力やマーケティング力、媒体の把握数などが必要になります。

民泊は規模が小さいため、自社プロモーションを広告代理店に依頼しても投資回収は難しいでしょう。個人的には自分が得意とする言語でSNS投稿を地道に行い、OTA経由の予約に+αする形でコツコツと無料の自社販促施策を継続する形がスタンダードになるかと思います。

まとめ

民泊の予約を取るために利用するOTAは、世界中に様々なものが存在します。各サービスによって特徴や強みは異なりますが、一般的にはAirbnbとBooking.comが使われることが多く、また複数のOTAに一括出稿できる楽天Vacation Stayへの掲載も人気を集めています。

部屋数が多いホテルや旅館なら話は別ですが、民泊のような極めて小規模な宿泊施設であれば、上記のような代表的なOTA1~3社のみに絞って掲載するのが望ましいでしょう。また自社集客についてもあまり費用をかけず、OTA集客を中心に考えるほうが無難と言えます。

とはいえ、ベターなやり方は施設や事業者によってそれぞれで、これといった正解はありません。参考として留めて頂き、どのような集客チャネルを形成すべきかご一考頂ければと思います。

 


利用するOTAを決めたら、アカウントを作成してリスティング(民泊物件の紹介ページ)を作成していきます。許可等の申請と並行して進め、許可が下りたらすぐに公開できる状態まで持っていけるようにすると良いでしょう。

リスティングの質は予約率を大きく左右するため、見栄えの良い写真や施設の魅力を最大限に伝えるライティング、適切な価格設定など、じっくり考えながら作成する必要があります。今回は、リスティングの作成にあたって押さえておきたい基本的なコツと、Airbnbにおけるリスティング作成手順について解説します。

Airbnbの登録手順とポイント

まずはこちらからホストアカウントを登録します。既にAirbnbのゲストアカウントを持っている場合はログインし、持っていなければゲストアカウントの作成から入ります。

施設概要の入力、写真のアップロード

登録の際に入力するメールアドレスや電話番号などは本人認証に用いられ、ゲストやホストに対する信頼性の向上につながるため、普段利用する正しいものを用いましょう。また顔写真はデフォルトではゲストアカウントとホストアカウントで共有されるため、なるべく安心感を持ってもらえる写真にするのが望ましいと言えます。はっきりと顔が分かるものが一般的ですが、女性モデルのフリー素材を使用するホストも多い印象です。

新規リスティングの登録は、Airbnbからの質問に一つずつ答えていく形で進めていきます。入力を間違えた場合や、定員数やその他詳細がまだ決まっていない場合でも、あとから修正は可能ですので、暫定情報を入れていきましょう。

途中、リスティングの画像をアップロードする箇所がありますが、なるべくプロが撮影したハイクオリティかつ高画質な写真や、アクセスマップ、間取り、近隣の観光スポットの写真などを合計20~50枚程度アップロードすると良いでしょう。先頭のほうにはリビングや寝室など民泊の主となる空間が分かる写真を、次いでキッチンや風呂といった設備、食器やカトラリー、掃除用具などの生活用品、それから近隣の情報などの画像を入れていくようにすると、ゲストが民泊の雰囲気やポイントを掴みやすくなります。

説明文、タイトルの入力

写真のアップロードが終わったら 、物件の説明文を書いていきます。説明文の上限は500文字なので、物件の魅力やコンセプト可能な限りアピールします。具体的に押さえておきたいポイントは後述します。なお、その次の「お部屋」の項目では、字数制限なく説明文を追加できます。500文字で説明しきれなかった細かい魅力のアピールや設備、備品の紹介などを書いて、必要な情報を網羅するようにしましょう。その他、ゲストとのやり取りの方法やエリア情報、交通案内などの項目を入力できます。

記入が済んだら、リスティングのタイトルを50文字以内で入力します。説明文を要約することを意識して、少ない文字数のなかで可能な限り物件の魅力を伝え、詳細ページに遷移したくなるキャッチコピーを考えてみてください。正解はありませんが、弊社の場合はアピールポイントを箇条書きする形で50文字いっぱい埋めています。

予約要件と料金の入力

Airbnbでは、ゲストがあなたのリスティングに予約をするための要件を定めることができます。例えば身分証を認証しているアカウントでなければ、即時予約はできずリクエストのみの受付とするなどの設定により、トラブルを起こしかねないゲストをなるべく排除したり、一定のゲストのみを受け入れたりしたい場合に便利です。ただし旅館業法上は原則として宿泊を拒否できないという規定があるため、法規にそぐわない機能となってしまいます。

複数の質問に答えていくと、料金設定のページに入ります。料金設定は物件のコンセプトやグレード、近隣の相場などから慎重に決めましょう。これも正解はありませんが、「値決めは経営」という言葉もあるほど収益を左右する非常に大切な部分なので、じっくり考えて設定しましょう。もちろん後から1日ごとの料金を設定していくことは可能ですが、グレードや価格帯を変更することは難しいため、その点だけ間違いないようにしましょう。

なお、価格設定の際の注意点として、 Airbnbの提示する推奨金額はいささか低すぎ、また物件のグレードを加味した数値でもないため、参考にはしないようにしましょう。同様の理由でスマートプライシングも使用しない方が望ましいと言えます。スマートプライシングとは需給バランスなどを鑑みてシステムが自動で価格設定を行ってくれる機能です。非常に便利ではありますが、Airbnbのシステムは精度がいまいちのため、Beds24などの外部ツールでスマートプライシングに対応しているものを使うほうが良いでしょう。

価格設定の次は、初回20%オフを適用するかどうか、といった質問があります。リスティングが公開されてすぐの間は、上位表示されやすいため集客力が高く、さらに割引を提示することで早期にレビュー評価を増やすことができます。これは任意ですが、基本的に弊社では20%オフを適用しています。

レビュー件数と評価の高さは後々のリスティング表示順位に影響するほか、スーパーホストの認定要件ともなっており、スーパーホストに昇格できればリスティングの上位表示効果やゲストからの一定の安心感を得ることにつながります。

次に連泊割引を設定します。Airbnbでは週割引と月割引を設定できます。これらを設定しておくことで、「週割引・月割引に対応している物件」という検索条件でリスティングが表示されるようになるため、一定の集客効果が期待できます。またコロナ禍においては、帰国後の一時滞在やマンスリーマンションとしての利用が増えているため、こうした需要を取り込める点からも、割引を設定した方が良いと言えるでしょう。なお、Airbnbの推奨割引率は少々大きすぎるため、これも鵜呑みにしない方が無難です。

証明書類のアップロードと公開後の対応

以上の項目の入力を終えたら、最後に旅館業や特区民泊の許可証の写真、もしくは住宅宿泊事業法の届出が受理された旨を証明する写真をアップロードし、数日間の審査を経て問題がなければリスティングが公開となります。

なお、リスティングが公開された後にしか編集できない項目も複数あるため、管理画面から忘れずにそれらの項目も入力しておきましょう。特に日本語以外の言語での説明文などは外国人に対する集客力に大きく影響するため、英語に加え、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語なども入れておくと良いでしょう。理想はネイティブに翻訳してもらった文章を使用することですが、 Google 翻訳などを利用しても、ある程度意味が伝わる文章にはなります。

説明文を書く時のポイント

説明文の充実度や効果的なアピールは予約率に大きな影響を与えます。あなたのリスティングに予約を入れてもらうためのセールストークだと考えて、気合を入れて臨みましょう。

アピールポイントとコンセプトを書き出す

まず物件のアピールポイントになりうる要素を箇条書きで洗い出しておきます。例えば駅から近く交通アクセスが非常に優れていることや、美味しいレストランや飲み屋が周辺にたくさんあること、綺麗な内装や広い庭があるなど、集客のフックになりうる要素は多数あります。これらの要素をもれなく洗い出し、一覧にしてから文章を考えると抜け漏れがなくなるうえ、文章を書きやすくもなります。

同時に物件のコンセプトとターゲットについても横に書いておきます。こうすることで「誰に対する説明文を書けば良いのか」が明確になり、ターゲティングのブレがなくなります。 特にコンセプトやターゲットを決めてこなかった場合は、アピールポイントやインテリアから逆算してコンセプトとターゲットを決めるという手段を取ることもできます。

交通アクセスと観光地までの距離

交通アクセスの良さは、特に東京や大阪などの大都市では非常に重要です。新宿や渋谷、上野、浅草など、利便性が高く、かつ旅行の目的地にもなるような場所に物件があれば、大きなアドバンテージになります。郊外の住宅地であっても、例えば浅草まで電車で直通5分で行けるなどの強みがアピール要素になります。最寄り駅までの所要時間や、主要な観光スポット・街へのアクセス時間を漏れなく記載しておきましょう。

また少々忘れがちな部分ですが、電車に加えて、バスでアクセスできる場所を調べることも大切です。例えば、東京ディズニーランドに行きたいと考えるゲストは日本人・外国人問わず多数存在します。電車では京葉線の舞浜駅が最寄りですが、他路線の駅前からも直通バスが出ていたりするため、その便がある駅周辺ならアピールポイントになり得ます。

コンセプトとこだわりポイント

リスティングのコンセプトやこだわりのポイントを共有するのも大切です。例えば乳幼児と楽しめる施設というコンセプトであれば、その旨を説明することで、ターゲットとなるゲストが安心して予約を入れられます。

さらに、設備や備品類、インテリアなどのこだわりポイントももれなく説明しましょう。上記のコンセプトであれば、ベビーベッドや子供用のハイチェア、食器、おもちゃや絵本などが取り揃えられているかと思いますので、その旨を説明文に盛り込みましょう(もちろん写真にも追加しておきます)。温泉があることや、高級な家具や寝具を使っていることをアピールする施設も多く見られます。

感染症対策

最近では、感染症対策をどれだけを行っているかということも予約状況に影響するという見方が強くなっています。エントランスに消毒用のアルコールを設置していたり、各洗面所に置いてあるハンドソープを紹介したり、空気清浄機を設置していたりする旨を紹介するほか、アルコールスプレー等の備品や清掃時の消毒方法などをアピールすることも有効です。

なおAirbnb以外の多くのOTAでは、民泊のような一棟貸しスタイルにはあまり慣れていないユーザーがリスティングを多く閲覧することが考えられます。その場合「他にお客様グループはいないため、安心してお過ごしいただけます」といった内容や「無人の施設なのでスタッフとの接触もありません」といった旨をアピールするのも良いでしょう。トラブルや低評価の対策にもなります。

近隣のレストランなどのおすすめスポット

また施設の近くの美味しいレストランや飲み屋、商業施設や日帰り温泉などのスポットは、Airbnbであればガイドブックに掲載することも可能ですが、もれなく説明文の中にも記載しておきましょう。外国語に対応しているお店のリストもまとめておくと喜ばれます。

特に、その地域の名物料理を食べられる良いお店が近くにあれば、積極的に紹介したいものです。大阪のたこ焼きやお好み焼き、福岡ならもつ鍋など、日本人も外国人も食べたいと思えるような料理を出すお店が近くにあればポイントは高いと言えます。その他、食べログなどのグルメレビューサイトで高評価を得ている飲食店が近くにあれば、その旨を添えて紹介するのも良いでしょう。

滞在の利便性を高める設備、備品の紹介

他にも民泊に滞在中の利便性を高める設備や備品類があれば紹介しましょう。例えば洗濯と乾燥を同時に行えるドラム式洗濯機があれば、長期滞在をするゲストに喜ばれます。他にも動画やビデオオンデマンド(VOD)に対応しているテレビやポケットWiFi、鍋やホットプレートなどのパーティーライクに使える調理器具、ゲームや観光雑誌、漫画などなど、様々なアイテムがアピール要素になります。

まとめ

リスティングの作成は予約率を左右する大切なポイントで、マーケティング力が問われます。魅力的な写真と説明文を用意して、施設の魅力を最大限にゲストに知らせましょう。

正解はありませんが、押さえておきたい基本的なポイントを把握しておくだけで効果的なリスティングの作成はグッと楽になります。後から予約状況やリスティングの閲覧状況などのデータを見てブラッシュアップすることも可能なので、じっくり考えつつ、70点前後の完成度を目指すように作成するのも良いでしょう。また、料金設定も非常に大切で、かつ難しいポイントになります。競合物件やコンセプト等を鑑みて、こちらも慎重に決めましょう。

 


民泊で出たゴミは、ホストが責任をもって処理をする必要があります。正しく処理をしないとクレームに発展したり、違法となって罰則を受けたりするリスクがあるため、営業を行う前に必ずルールを知っておきましょう。

ここでは民泊のゴミ処理の方法や費用、ゲストの不法投棄の対策についてをまとめます。

 

民泊のゴミは事業ゴミ

民泊で出たゴミは全て事業ゴミに該当します。そのため通常の家庭ゴミと同様の手順では捨てることができず、そのまま集積所に出した場合には違法となります。事業者に対して罰則もあるので、くれぐれも注意しなければなりません。

以下、事業ゴミの処理方法と費用について解説します。

事業ゴミの処理方法

事業ゴミの処理方法は自治体によって異なりますが、例えば東京都新宿区や豊島区だと、コンビニなどで事業ゴミ券を購入し、それをゴミ袋に貼付してからゴミ集積所に捨てるという手順が必要になります(一定規模以上の場合は産廃処理業者への委託等が必要。その他一部例外もあるため、各自治体の処理方法を参照してください)。

事業ゴミ券には事業者の名称を記載する必要があります。忘れずに記載し、通常のゴミと同様の指定日に出すようにしましょう。

なお、事業ゴミの処理を代行してくれる産廃処理業者が存在するため、そういった事業者に作業を外注すると便利です。民泊清掃会社にも産廃処理業者登録をしている事業者が存在するため、清掃と合わせて依頼できると便利です。

事業ゴミ処理の費用

ゴミ処理の費用も自治体によってまちまちです。東京23区の例を以下に挙げておきます。
券種 金額
70リットル券 2,660円/5枚
45リットル券 3,420円/10枚
20リットル券 1,520円/10枚
10リットル券 760円/10枚
民泊清掃会社に依頼する場合は、通常の清掃費用の中に一定量の金額を含むなど、料金体系は様々です。また産廃処理業者にゴミ処理だけを依頼する場合は、「週に何回で、月いくら」という料金体系が適用されます。

ゲストの不法投棄対策

民泊営業を行っていると、ゲストが不法投棄をしてしまいトラブルに発展するというケースも見られます。 特に民泊新法の制定以前は、民泊の営業が行われているマンションの共用部にゴミが不法投棄される事件などが相次いでメディアに取りざたされ、社会的に問題となったこともあります。

ゲストに不法投棄をさせず、事業者側できちんとゴミ捨てを行う環境を整えることも民泊ホストの責務です。どのようにして不法投棄を防げばいいのか、具体的な対策を挙げておきます。

ゴミの捨て方を室内に掲示しておく

外国人ゲストなどを中心に、単純にゴミの捨て方が分からないがゆえに不法投棄を行ってしまうケースはよく見られます。

ゴミは室内の指定のゴミ箱に捨てておくこと、ゴミ集積所などへの投棄をしないことなどの案内を多言語で丁寧に行っておくことが大切です。

事業ゴミはこまめに回収する

また、ゴミ箱やゴミストッカーがいっぱいになってしまったために、やむを得ず不法投棄してしまうゲストもいます。 そのような事態にならないよう、余裕を持って事業ゴミの回収を定期的に入れるフローを組みましょう。

もちろんゴミ箱やストッカーの容量を余裕のある大きさにしておくことも大切です。加えて、それでも満タンになりそうな場合には、ホストへ連絡してもらうよう注意書きなどを添えておくと良いでしょう。

本人確認を確実に行う

旅館業法・民泊新法(住宅宿泊事業法)ともに、チェックイン時のゲストの本人確認を行うことは義務となっています。ゲストの顔や背格好、個人情報や身分証は確実に押さえておき、不法投棄の抑止力を作りましょう。いざ実害が出てしまった際にも、ゲストの雲隠れを防げます。

まとめ

ゴミの不法投棄は民泊運営でもよくあるトラブルの一つです。適正な方法で事業ゴミを処理しない場合は違法となり罰則があるほか、近隣からクレームを受けて営業継続が困難になる可能性もあります。

100%未然に防ぐことは難しいのですが、記事中のとおり簡単にできる対策はいくつかあるので、もれなく実施し不法投棄をなるべく無くすようにしてください。


時間貸しで不動産を利用し収益を得るレンタルスペース事業の中でも、貸し会議室と並んで人気の高い業態がパーティールームです。

コロナ禍の現状において、外での飲み会もままならない中、仲間内だけで安心安全に飲み会ができると言うことでパーティールームを予約する方も多く、比較的安定して収益を狙えるのが魅力です。一方、その性質上、事業の立ち上げやトラブル対応など手間がかかることは多く、工夫と努力次第で利益が大きく変わってくるという特徴もあります。

ここではパーティールーム運営の特徴と、他のレンタルスペース授業と比較した際のメリット・デメリットについてまとめていきます。


パーティールームの特徴

パーティールーム運営の特徴を以下にまとめます。

「空間の魅力」を販売するビジネス

パーティールームは空間の魅力を販売することが肝要な事業となります。なぜなら、非日常的なおしゃれ空間で友人との飲み会などの時間を楽しみたいというニーズが強いためです。パセラなどをイメージして頂ければ、分かりやすいという方もいらっしゃるかと思います。

そのため、物件のコンセプトとそれに応じたおしゃれな空間づくりが必要となり、工夫の余地は大きい一方で手間がかかり、かつデザインのセンスや相応の初期投資が必要になります。デザイナーや空間づくりが好きな方には特に向いているでしょう。

工夫の余地が大きい

コンセプトやデザインのほか、パーティールームでは家具や備品など用意すべきものがたくさんあったり、お客さんがストレスやトラブルなく快適に使ってもらえるためのマニュアルや掲示物の整備が必要だったりするなど、開業に向けて必要なものは多岐にわたります。

最初はこれらの準備を完璧に行うことは難しいものですが、一つ一つ細部までこだわったりブラッシュアップしていったりすることで、将来的な利益が変わります。このように運営面でも工夫の余地がさまざまにあるのがパーティールームの特徴のひとつです。

繁華街やターミナル駅に集中する

パーティールームはレストランや居酒屋のように、あちこちから仲間が集まりやすいターミナル駅や、遊びに行きたいと思わせるような繁華街に出店が集中する傾向があります。例えば新宿や渋谷、難波や心斎橋といった、地域を代表するような繁華街への出店は非常に盛んです。これらのエリアでは競争が激しい一方で需要も大きく、しっかりと作り込めれば比較的安定的に利益を目指せます。

一方で繁華街やターミナル駅でない場所にはまだ供給が少なく、需要の大きさが未知数であることも多くあります。またターミナル駅の繁華街でも郊外や地方まで行くと出店が少なく、まだ未開拓のエリアも多いのが特徴です。

繁閑の差が大きい

パーティールームは繁忙期と閑散期の売上単価や稼働率に大きな波があることも特徴です。例えば長期休暇シーズンの8月や忘年会シーズンの12月などは大きな売上が見込める一方、1月2月などは売上が落ち込む傾向にあります。こうした繁閑の差は民泊などの宿泊事業にも通じるものがあります。

繁閑に合わせて販売単価を変えたり、想定収支を計算したりする手間はかかりますが、繁忙期の収益力は安定していると言えます。閑散期でも利益が出るような物件選びと作り込みを意識すると良いでしょう。

運営代行会社に委託しやすい

パーティールームは高い売り上げを期待しやすい一方で、後述のように様々なデメリットもあり、自身で運営するには骨が折れるビジネスです。しかし、運営代行業者が複数が存在するため、売上歩合報酬を支払えば代わりに面倒な運用を担ってくれます。また物件の立ち上げも委託可能です。

ただし、事業者によって品質や報酬には幅があることから、情報収集をした上でどの事業者に依頼するかを決めるのが望ましいと言えます。

パーティールームのメリット

パーティールーム運営の主なメリットは以下の通りです。

長時間利用が多く客単価が高い

パーティールームは比較的長時間の予約が入りやすく、それゆえに一組あたりの単価が高くなりやすいのがメリットです。具体的には6時間以上の予約も珍しくはなく、丸一日予約が入ることもあります。

さらに、備品やサービスなどのオプション販売でも収益を増やすことが可能であるため、工夫次第でより単価を高くすることも狙えます。

繁忙期は高い売上を出せる

上述のように繁忙期のパーティールームは高い売り上げを期待でき、相応の利益も狙えます。パーティールームの収益力は民泊と比べると劣るケースが多いと言われていますが、こと繁忙期においては民泊を上回る収益を出すことも可能です。

パーティールームのデメリット

一方、パーティールーム運営では様々なデメリットもあります。

内装や備品への投資額が多い

パーティールームはコンセプトメイキングやおしゃれな内装作りが肝心になるぶん、内装や備品、消耗品類に投資する必要額はどうしても大きくなってしまいます。

初期投資が大きくなるため、開業にはある程度の資金力も必要になります。概ね100万円程度が最低ラインになるのではないでしょうか(不動産初期費用も含む)。また消耗品の補充や水光熱費、ネット代などでランニングコストも発生します。

トラブルが多い

パーティールームはその性質上、トラブルが多いことが最大のネックです。具体的には酔っ払ってテンションの上がったお客が騒いで近隣から苦情が入ったり、共用部にゴミを捨てられてしまったり、部屋の中で喫煙されて臭いがこもってしまったり、備品類を破損されたり盗まれたりと、トラブルの事例は様々にあります。

対策として監視カメラを用意したり、マニュアルや注意書きなどオペレーションを徹底したりする必要がありますが、それでも完全に防ぐことは難しいと言えます。近隣からの苦情が相次いだことによって営業停止に追い込まれる事業者の話も最近では珍しくなくなりました。

様々なトラブルの種を事前に潰し、いざ問題が発生したときにどれだけスピーディかつ誠実に対応できるかがパーティールーム運営では問われると言えます。

清掃費がかかる

また施設内で飲み会をするお客がほとんどであることから、パーティールームでは清掃費が発生することを収支計画にきちんと入れ込んでおく必要があります。会議室などではお客によるセルフクリーニングのみで済ませる施設も多くありますが、パーティールームでは限界があるため、頻繁に清掃を行う必要があるのです。

予約サイトに集客を依存しやすいレンタルスペース事業はどうしても薄利多売のビジネスモデルになりがちです。その中で清掃費の負担は決して少ないものではなく、高い稼働率と売上客単価を確保しなければならないのがネックです。

まとめ

パーティールームは運営代行会社に運営を委託しやすく、また繁閑の差は大きいものの比較的高い売上を期待しやすいレンタルスペース業態です。自身で運営する場合には、コンセプトメイキングや備品の設置などの立ち上げや、マニュアルなどの整備、トラブル対応など、様々な労力やノウハウが必要になりますが、運営代行会社にまるまる委託することも可能です。

空間作りや店舗開発が好きな方にとっては面白いビジネスになるでしょう。また運営代行会社に全てを委託して、投資のようなスキームで事業を運営する方も多くいるため、自身の目的に合った運営の仕方を考えて参入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

住宅宿泊事業法による家主不在型民泊や、旅館業民泊を行う際などは、消防法の規定に沿って消防設備を備え付ける必要があります。数十万円以上のまとまった工事費用がかかるポイントですが、物件によってはさらに投資が重くなるため、慎重に進めることが大切です。

ここでは、民泊物件を検討する際に最低限見ておきたい消防法の判断ポイントを解説します。

戸建民泊の消防法のポイント

戸建物件で民泊を行う際には、基本的に2階建て以下の物件を選ぶのが良いでしょう。というのも、二階建て以下で延床面積が300㎡未満の場合は、特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)の設置が可能で、通常の自動火災報知設備に比べてコストが大きく下がるからです。

なお、地下を含む階数が3までの物件であれば、地下階または3階の民泊に利用する床面積が50㎡未満の場合は、以下の条件をすべて満たすことで特小自火報を設置することができます。
  • 建物の延床面積が300㎡未満
  • 全ての宿泊室の出入口扉に施錠装置が設けられていないこと(ただし、非常時に自動的に開錠できるものや屋内から鍵等を使用せずに容易に開錠できるものなどを除く)
  • 全ての宿泊室の宿泊者を一つの契約により宿泊させるものであること(例:全ての宿泊者が同一グループ(一つの契約)であること)
  • 階段部分には、煙感知器を垂直距離7.5m以下ごとに設置すること
階段にも特小自火報を設置する必要があるため若干コストは上がりますが、一組限定の民泊であれば、3階建て物件でも消防設備の投資を抑えることは可能です。

通常の自火報は設置に大きなコストがかかってしまうため、延床面積が300㎡以上の物件でない限りは、設置が必要な物件は避ける方が無難です。

マンション・ビルでの民泊の消防法のポイント

マンションや貸ビルで民泊をやる際には、戸建と少々違う着眼点から消防法の許可が取れるかどうかを確認する必要があります。

すでに自動火災報知設備が設置されているか

マンションやビルには、既に自動火災報知設備や誘導灯などの消防設備が設置されていることが一般的です。ただし、小規模な建物の場合には無いこともあるため、内覧時に確認しておきましょう。

もし設置されていない場合は、原則2階建て以下で延床面積が300㎡未満の場合もしくは300㎡以上500㎡未満の建物においては、特小自火報を民泊部分に導入するだけで足りるケースもあります。それ以外の場合は通常の自火報を設置する必要がありますが、工事には家主の承認が必要です。費用も高額になるため、現実的には開業が難しくなるでしょう。

消防点検がきちんと行われているか

既に消防設備が設置されていたとしても、その建物が消防点検をきちんと行っているものかどうかは管理会社に確認しておきましょう。もし点検に不備があれば、その不備が解消されるまでは消防法令適合通知書は交付してもらえない可能性が高いと言えます(弊社では一度この事態に遭遇しました)。

その他の注意ポイント

築古戸建にはたまにあるのですが、キッチンの壁や天井が不燃素材で出来ていない、あるいは不燃素材かどうかが不明な場合があります。その場合、ガスコンロは火災の危険性が高いため使用が認められません。不安な場合はIHヒーターを導入すると良いでしょう(コンセントの位置も確認してください)。

また、消火器は設置義務が生じない物件も多いものの、大体どこの消防署でも、義務の有無によらず設置を推奨されます。弊社ではそれに従ってすべての物件に消火器を備えつけています(若干、圧があるので、現地査察に来た際に設置してなかった時に当たりがキツくなるのが怖くて…)。大した金額ではないので、予算には見込んでおきましょう。

まとめ

民泊において、消防法は建築基準法と並んで気を使う法律です。建物の設備・構造によって消防設備への投資額が大きく変わり、投資回収期に影響を及ぼしたり、場合によっては事実上民泊の開業が困難になったりする可能性もあるので、物件選びの際は、契約前に消防法令適合通知書の交付を受けられそうか調査することが必要です。

なお、自身での手続きや調査に不安がある場合などは、防災業者に依頼することも可能です。消防設備の設置工事に加えて書類作成や提出、消防署との折衝なども一括して発注できるため、ありがたい味方になってくれるでしょう。

 

民泊を運営するには、様々なリスクを補償してくれる保険への加入が欠かせません。通常の火災保険や借家人賠償責任保険では民泊は補償対象外となってしまうため、民泊を補償対象としてくれる専用の保険に加入する必要があります。

民泊保険に加入することで、ゲストが建物内の備品を破損・汚損したり、建物の一部分を壊してしまったりした際にも補償を受けられます。ホストからゲストへ直接損害賠償請求を行うよりも弁済を受けやすくなるため、強い味方になります。またホストやゲストが負った損害賠償責任についても補償してくれるため、事業リスクを大きく下げられます。

この記事では、個人でも契約できる民泊専用保険について、主なものを補償内容と金額から比較解説していきます。既に加入している民泊用保険に不満をお持ちの方や、これから新しい物件に対して保険加入を検討している方など、ご参考にしてください。

 

民泊用の保険一覧

民泊専用の保険は、いくつかの民泊関係の民泊団体がサービスを提供しています。保険会社とホストが直接契約するのではなく、保険会社と契約している団体にホストが加入する形で補償を受けられる点が特殊だと言えます。以下、比較表です。
日本民泊協会(JAPA) 民泊民宿協会 民泊専用保険
家主への賠償責任 家主への賠償責任 : 1億円
①火災
②破裂・爆発
③給排水設備の破損により生じた漏水、放水等による損害
3,000万円
免責金額3万円
3,000万円
※修理費用補償は300万円
免責金額3,000円
施設やホストの欠陥・不備による賠償責任 1億円(免責無し) 1億円
免責金額3万円
5,000万円
ゲストが負った賠償責任 1億円(免責無し) 1億円
免責金額3万円
その他サービス 盗難による損害補償(1事故100万円)
旅行会社・観光関係機関等への宣伝(広報)
ゲストの手荷物宅配サービス利用可能
緊急時駆けつけサービスコミュニティ参加可能
サイト内に宿泊施設の情報を掲載可能
緊急トラブル対応(別途費用) 室内設備の補償:100万円
類焼損害補償:1億円
1年あたりの料金 32,000円 24,900円~ 45,000円~

日本民泊協会(JAPA)

日本民泊協会の提供する保険は、営業許可の種類や建物種別、面積などによらず、一律32,000円と安価なのが特徴です。施設賠償と個人賠償がそれぞれ1億円設定されています。

会員になると、主に同ウェブサイト上で民泊物件の情報を掲載したり、ウェブサイトを5万円で作ってもらえたりする特典もあるほか、空港から施設への手荷物宅配サービスの利用等の特典も利用できます。

民泊民宿協会

民泊民宿協会は、これまで弊社が利用していた保険サービスです。補償内容が充実していたのですが、2021年からそれぞれの補償に対して一律免責金額3万円が設定されたことで使い勝手が悪くなってしまいました。賃借物件での民泊運営における保険申請の金額は少額のケースが多いので、3万円の免責でもバカになりません。

金額は営業許可の種類と面積によって変わります。
民泊新法(住宅宿泊事業法)
特区民泊(国家戦略特区)
旅館業法
※パンフレット記載の情報を最新と解釈し記載
50㎡以下 24,900円 80㎡以下:32,900円
100㎡以下:40,000円
100㎡以下 32,900円
100㎡超 40,000円 要見積り
また、三井住友グループ企業による、緊急時のコールセンター対応および駆けつけサービス(駆けつけは別途料金)を受けることもできます。

民泊専用保険

民泊専用保険は、保険代理店のBrightReachが提供するパッケージです。上記3つの内容に比べると割高だと言えますが、類焼損害補償が付いており、民泊物件で火災が発生して隣家などが延焼した場合において、重過失等により損害賠償責任を負った際の補償を受けることが可能です。

保険代理店経由での民泊保険

その他の保険代理店に依頼することで民泊用の保険を提案してもらうこともできます。しかし弊社にて見積りを取ったところ、上記三つの民泊協会が提供するプランには価格面・補償面ともに及ばない印象です。

調査が不足しているため正確な理由までは分かりませんが、単純に私の見積りの取り方が悪かったのか、あるいは民泊協会がボリュームディスカウントを利かせていて有利な保険内容を提案できるのか、どちらかによるものではないかと考えます。

まとめ

民泊用の保険はなかなかまとまった情報が得にくいのですが、上記三つの民泊団体のプランであれば、大きな間違いは無いでしょう。

他にも関連業界団体が民泊に使える保険を提供しているようですが、基本的には該当の事業を行っている企業しか加盟できないため、その他の企業や個人ホストの方は、上記民泊団体のプランを利用すると良いでしょう。

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